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正当防衛行為に当たる暴行の後に連続して行った暴行について,両暴行は侵害の継続性及び防衛の意思の有無という点で明らかに性質を異にするなどとして,正当防衛はもとより過剰防衛を論ずる余地もないとされた事例。

事件番号 平成20(あ)124。
事件名 傷害被告事件。
裁判年月日 平成20年06月25日。
法廷名 最高裁判所第一小法廷。
裁判種別 決定。
結果 棄却。
判例集巻・号・頁 。
原審裁判所名 東京高等裁判所 。
原審事件番号 平成19(う)2215。
原審裁判年月日 平成19年12月25日。
判示事項 。
裁判要旨 正当防衛行為に当たる暴行の後に連続して行った暴行について,両暴行は侵害の継続性及び防衛の意思の有無という点で明らかに性質を異にするなどとして,正当防衛はもとより過剰防衛を論ずる余地もないとされた事例。
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| 刑事 | 23:20 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

旧刑訴法適用事件について再審が開始されて第1審判決及び控訴審判決が言い渡され,更に上告に及んだ後に,当該再審の請求人が死亡しても,同請求人が既に上告審の弁護人を選任しており,かつ,同弁護人が引き続き弁護活動を継続する意思を有する限り,再審の手続は終了しな

事件番号 平成19(れ)1
事件名 治安維持法違反被告事件
裁判年月日 平成20年03月14日
法廷名 最高裁判所第二小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
原審裁判所名 東京高等裁判所
原審事件番号 平成18(う)1036
原審裁判年月日 平成19年01月19日
判示事項
裁判要旨
1 旧刑訴法適用事件について再審が開始された場合,その対象となった確定判決後に刑の廃止又は大赦があったときは,再審開始後の審判手続においても,同法363条2号,3号の適用があり,免訴判決が言い渡されるべきである
2 旧刑訴法適用事件についての再審開始後の審判手続においても,被告人は免訴判決に対し無罪を主張して上訴することはできない
3 旧刑訴法適用事件について再審が開始されて第1審判決及び控訴審判決が言い渡され,更に上告に及んだ後に,当該再審の請求人が死亡しても,同請求人が既に上告審の弁護人を選任しており,かつ,同弁護人が引き続き弁護活動を継続する意思を有する限り,再審の手続は終了しない
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| 刑事 | 22:20 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

掲示板の殺害予告で逮捕=女子児童16万人脅迫容疑−千葉県警

時事通信社 - 02月18日 12:02
 インターネット掲示板「2ちゃんねる」に「千葉の女子小学生を殺しちゃいます」と予告する内容を書き込んだとして、千葉県警生活経済課などは18日までに、脅迫の疑いで住所不定、無職福田努容疑者(23)を逮捕した。書き込みは殺害の相手を特定しておらず、同課は県内の全女子小学生に対する脅迫容疑を適用した。
 同容疑者は「反応が面白かった」と書き込みを認めているという。
 調べでは、福田容疑者は1日午前7時5分ごろ、携帯電話から掲示板に「千葉の女子小学生を2月15日15時に殺しちゃいます」と書き込み、県内の公私立小学校などの女子児童計16万4780人を脅迫した疑い。

16万人て…
対象が特定されているといえるのこれ。
| 刑事 | 14:33 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

録画170件、検察「有効」 取り調べ検証

asahi.com 2008年02月15日13時54分
 最高検は15日、来年の裁判員制度スタートを控えて全国の地検で試行している取り調べの一部の録音・録画について検証した「中間とりまとめ」を公表した。録画などについて、検証・公表するのは初めて。容疑者の意思で供述したことを法廷で理解してもらうためには「現在の方法は有効だ」と結論づけたが、全過程の録画については担当検事の反対意見が多かった。全過程の「可視化」を求めている日本弁護士連合会との溝は深く、攻防は続きそうだ。
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| 刑事 | 15:24 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

「被告の誤解解かず採尿、違法」 覚せい剤事件で判決

asahi.com 2008年02月08日13時00分
 覚せい剤を自分の体に注射したなどとして覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われた住所不定、無職今井義雄被告(40)に対する判決公判が8日、名古屋地裁であった。大村泰平裁判官は「被告は尿を任意提出する義務があると誤解していたのに、警察官はその誤解を否定しなかった」として、捜査手続きの違法性を認めた。そのうえで覚せい剤反応が検出された今井被告の尿の証拠能力を認め、別の傷害罪とあわせ、懲役2年6カ月(求刑懲役3年6カ月)を言い渡した。
 判決によると、今井被告は06年11月23日、名古屋市中川区の市営住宅敷地内で男性(当時48)を何度もけって約1週間のけがを負わせたとして愛知県警中川署に傷害容疑で現行犯逮捕された。被告は覚せい剤取締法違反罪で実刑判決を受けた前科があり、「前科がある場合は令状がなくても尿を提出する法的義務がある」と誤解していた。採尿前に同署員に確認を求めたが否定されなかった。
 大村裁判官は「警察官は誤解を否定するべきで、任意提出の手続きは違法」と指摘した。しかし「警察官が『義務がある』などと被告をだましたとは認められず、悪質性が特に強いとは言えない」と判断。違法収集証拠にあたるとした弁護側の無罪主張を退けた。

これしかし,一般紙で
「手続は違法だが違法収集証拠の主張は斥けた」
なんていう説明で,理解できる人,何割になるのかな。
| 刑事 | 15:26 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

「未決勾留なかった」 刑期算入の一審判決破棄 名古屋

asahi.com 2008年02月08日10時33分
 道路交通法違反罪(無免許、酒気帯び運転)に問われた愛知県甚目寺町の男性被告(30)の控訴審の第1回公判が7日、名古屋高裁であり、田中亮一裁判長は即日、「被告は逮捕、勾留(こうりゅう)されず起訴された。(20日間の)未決勾留日数を算入した一審判決は誤り」として、一審判決を破棄し、改めて懲役7カ月(求刑懲役10カ月)を言い渡した。
 未決勾留日数は、逮捕から刑の確定までに身柄を拘束された期間のこと。その全部または一部を、すでに刑の執行を終えたものとして刑期に算入することができる。しかし被告は逮捕されておらず、検察側が、一審判決の誤りを主張して控訴していた。
 判決によると、被告は昨年2月18日、同町内で無免許、酒気帯びで乗用車を運転した。
 熊田士朗・名古屋地裁所長は「判決に誤りがあったことは遺憾。再発防止に努めたい」としている。
| 刑事 | 15:25 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

浮気した妻のウソで男性を射殺、夫は不問、妻は殺人罪



asahi.com 2007年04月01日15時23分



 米南部テキサス州の裁判所の陪審団はこのほど、レイプ被害に遭っているとうそをつき、浮気現場に居合わせた夫に相手の男性を射殺させたとして、故殺(計画性のない殺人)罪などで妻を起訴した。手を下した夫は、家族を守ろうとしただけと判断されて殺人に問われなかった。


 米メディアによれば、起訴されたのはトレーシー・ロバーソン被告(35)。昨年12月、夫が同州アーリントン市の自宅に帰宅したところ、小型トラックの中で見知らぬ男性と下着姿で抱き合う同被告を発見。同被告がレイプされていると叫んだため、夫は所持していた銃で男性を射殺し、殺人容疑で逮捕された。


 しかし、警察の調べで、ロバーソン被告が被害者の男性に「あなたの温かい抱擁が必要なの」とする携帯電話のメッセージを送信していたことが判明。同被告が浮気をごまかすため、とっさにうそをついていたことが露見した。(時事)





| 刑事 | 18:56 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

犯罪被害者も「論告・求刑」 法制審が要綱案



asahi.com 2007年01月31日00時06分



 犯罪被害者や遺族が「被害者参加人」として刑事裁判に加わり、法廷で被告に直接質問できる見通しになった。法制審議会(法相の諮問機関)刑事法部会が30日、被害者参加制度の要綱案をまとめた。2月の総会の答申を受け、法務省は刑事訴訟法などの改正案を国会に提出し、今国会での成立を目指す。施行は09年の裁判員制度の導入期と相前後する見込みで、日本の刑事裁判は大きな転換期を迎える。


被害者が刑事裁判でできること


要綱案の骨子


 新制度への動きは被害者団体の署名運動などから始まり、05年に閣議決定した「犯罪被害者等基本計画」に明記されて以来、急ピッチで進んだ。「被告を犯人と決めつけることにつながりかねず防御が難しくなる」と、弁護士の間には反対や懸念も強かったが、被害者の声の高まりを背景に踏み込んだ内容となった。


 「被害者参加人」は、殺人や強姦(ごうかん)、業務上過失致死傷、誘拐など重大事件の被害者か、配偶者や親子、兄弟姉妹などの親族。現在は原則として傍聴席に座るが、新制度では法廷の柵(さく)内に席が設けられ、検察官と話し合える場所に座る。本人か代理人が出席できる。


 現在できるのは、証人として出廷することと、心情面について述べる「被害者意見陳述」だけだったが、新制度では情状面に限って証人に対して尋問ができるほか、被告に直接質問もできるようになる。


 検察官の論告・求刑が終わった後には「被害者論告」ができる。起訴事実の範囲内なら事実関係について意見を述べられる。


 独自の求刑も可能で、例えば検察官が懲役刑を求刑した場合でも、法律に定められた範囲内なら「死刑を求刑する」と述べられる。被害者論告・求刑は証拠にはならないが、日本弁護士連合会は「裁判官・裁判員の心証形成に与える影響は限りなく大きい」とみる。


 被害者・遺族の要望をくみ取った新制度だが、刑事裁判の適正さが損なわれないか危ぶむ声もある。ある弁護士は「被害者は被告に対するマイナス情報にさらされている。その情報と証拠になる事実との区別がつかず、客観的な事実で議論することが難しくなるのではないか」と話す。


 被害者側が被告に損害賠償を求める民事裁判で、刑事裁判で調べた証拠を利用できる「付帯私訴」制度も創設する。刑事裁判の有罪判決言い渡しの後で、同じ裁判官が刑事裁判の証拠を使って、損害賠償を命じる決定を出せる。審理が4回以上に長引く場合は民事訴訟に移行する。


 ただ、刑事裁判の中で損害賠償請求ができる西欧の制度と比べれば限定的だ。「被告の負担が増え、裁判の遅延を招く」などの日弁連の慎重論に配慮した。対象犯罪も故意犯に限った。(市川美亜子)





| 刑事 | 01:12 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

横浜事件、17日に再審初公判 無罪か免訴か―学説二分



asahi.com 2005年10月16日13時00分



 1942年から終戦直前にかけ、雑誌編集者ら数十人が治安維持法違反容疑で神奈川県警特高課に逮捕されるなど、戦時下最大の言論弾圧事件として知られる「横浜事件」の再審初公判が17日、横浜地裁(松尾昭一裁判長)で開かれる。旧刑事訴訟法下で罪に問われた元被告が全員死亡している上、資料もほとんど残っていない異例の公判だ。


 無罪か、免訴か。再審公判の争点は、事実上この1点に絞られる。


 弁護側は、60年前の有罪判決の証拠とされた自白が拷問による虚偽の内容だっただけでなく、事件そのものが特高警察によるでっち上げだったと主張。こうした経緯を明らかにした上で無罪判決を言い渡すよう求める。


 初公判では第1回再審請求から弁護を務める森川金寿・弁護団長(92)らが約3時間半にわたって意見を述べる。12月12日の第2回公判では生前の元被告らが証言したビデオを上映するほか、元被告の遺族4人が証人として出廷、言論弾圧の実態を明らかにする。


 一方、検察側は有罪か無罪かを判断せずに刑事裁判の手続きを打ち切る「免訴」を求める。


 免訴は、刑の廃止や大赦、時効の完成などで公訴(起訴)の権利や利益がなくなった場合に裁判所が裁判手続きを打ち切って言い渡す形式的な判決。事件の内容に踏み込まずに判断するため、元被告側が求めている事実認定をしない。免訴理由がある事件の再審公判で無罪判決を出せるかどうかについては明文規定がなく、学説も割れており、この点でも地裁の判断が注目される。


 検察は公判を開くこと自体にも反対した。旧刑事訴訟法が死亡した被告の再審事件の際には公判を開かずに検察官と弁護人の意見を聞いて判決を下すよう規定しているためで、公判での証拠請求や論告求刑も放棄する。


 松尾裁判長は検察側が初公判で審理打ち切りを求めても、2回目の公判を実施する意向だ。弁護団によると裁判長は三者協議で、記録がほとんど残っていないことなどを理由に「当事者の主張を公開の法廷で聞くのが一番いい」と説明した。判決は年明けに言い渡される見込みだ。





| 刑事 | 20:25 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

犯行状況再現写真、「証拠能力なし」 最高裁が初判断



asahi.com 2005年10月01日17時19分



 捜査官が被害者らの供述をもとに犯行状況を再現させた写真は証拠にできるのか――こんな問題が争われた刑事裁判で、最高裁第二小法廷(滝井繁男裁判長)は「原則として証拠能力はない」との初判断を示した。従来は証拠採用される例が多かったが、最高裁は、こうした再現写真が被害者の供述と同じ意味を持つことを重視。「被告が公判で反証できない供述証拠は採用できない」という刑事裁判の鉄則を再現写真についても適用する立場を明確にした。


 裁判員制度を前に、わかりやすさが重視され、視覚に訴える立証が模索されている。しかし、写真には偏った印象を強く与える危険もあり、厳格な基準を示した形だ。


 問題となったのは、大阪の地下鉄で女性を触ったとして無職男性(24)が大阪府迷惑防止条例違反の罪に問われた事件。被害者が犯人役の警察官を相手に犯行を再現した場面が、写真と説明文によって実況見分調書にまとめられ、検察側から提出された。被告側は証拠採用に反対したが、一、二審判決とも有罪の証拠として採用していた。


 これに対し第二小法廷は9月27日付の決定で、「再現写真も、証拠にするには、供述証拠と同じ条件をクリアする必要がある」と判断。今回の場合は「クリアしておらず、証拠能力はない」として、一、二審の判断は「違法」と断じた。


 刑事裁判には「公判で被告側に反対尋問の機会がない供述証拠は採用できない」との鉄則がある。供述が正確か、うそでないかを確かめる必要があるからだ。


 調書などの供述書面を証拠採用するためには、「供述が信用できる特別の状況がある」などの条件をクリアする必要がある。だが、捜査機関が作成する現場の図面などの実況見分調書は特別に、その条件を満たさなくても採用できるとされてきた。


 では、実況見分調書の中に、被害者の供述に基づく再現シーンの写真が含まれていた場合、同様に採用できるのか。今回はこれが問題になった。


 この場合、実質的には供述調書と同じなのに、厳しい条件をクリアせず脱法的に採用されているという指摘はあった。ただ、弁護側も争うことが少なく、問題が顕在化してこなかった。裁判官、検察、弁護側ともに意識変革を迫られそうだ。


 同小法廷は一方で「この証拠がなくても有罪は認定できる」として二審の罰金40万円の結論は支持。男性の上告を棄却した。



捜査機関が作成した調書については同意が得られない場合について、「特信性」が問題となるが、いわゆる「検面調書」については、「特信性」は問題とならない。


すると今後は、「特信性」をクリアするための要件を捜査機関が考案するか、検察官がこういった資料を作成するようになるのだろうか。



判例 平成17年09月27日 第二小法廷決定 平成17年(あ)第684号 大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反,器物損壊被告事件


要旨:


 捜査官が被害者や被疑者に被害・犯行状況を再現させた結果を記録した実況見分調書等で,実質上の要証事実が再現されたとおりの犯罪事実の存在であると解される書証の証拠能力


内容:  件名 大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反,器物損壊被告事件 (最高裁判所 平成17年(あ)第684号 平成17年09月27日 第二小法廷決定 棄却)


 原審 大阪高等裁判所 (平成16年(う)第1702号)


主    文


       本件上告を棄却する。


         


理    由


 弁護人西嶋勝彦の上告趣意は,単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。


 なお,所論にかんがみ職権で判断する。


 1 記録によれば,以下の事実が認められる。


 (1) 本件の第1審公判において,検察官は,第1審判決判示第1の事実に関し,立証趣旨を「被害再現状況」とする実況見分調書(第1審検第2号証。以下「本件実況見分調書」という。)及び立証趣旨を「犯行再現状況」とする写真撮影報告書(第1審検第13号証。以下「本件写真撮影報告書」という。)の証拠調べを請求した。


 (2) 本件実況見分調書は,警察署の通路において,長いすの上に被害者と犯人役の女性警察官が並んで座り,被害者が電車内で隣に座った犯人から痴漢の被害を受けた状況を再現し,これを別の警察官が見分し,写真撮影するなどして記録したものである。同調書には,被害者の説明に沿って被害者と犯人役警察官の姿勢・動作等を順次撮影した写真12葉が,各説明文付きで添付されている。うち写真8葉の説明文には,被害者の被害状況についての供述が録取されている。


 本件写真撮影報告書は,警察署の取調室内において,並べて置いた2脚のパイプいすの一方に被告人が,他方に被害者役の男性警察官が座り,被告人が犯行状況を再現し,これを別の警察官が写真撮影するなどして,記録したものである。同調書には,被告人の説明に沿って被告人と被害者役警察官の姿勢・動作等を順次撮影した写真10葉が,各説明文付きで添付されている。うち写真6葉の説明文には,被告人の犯行状況についての供述が録取されている。 


 (3) 弁護人は,本件実況見分調書及び本件写真撮影報告書(以下併せて「本件両書証」という。)について,いずれも証拠とすることに不同意との意見を述べ,両書証の共通の作成者である警察官の証人尋問が実施された。同証人尋問終了後,検察官は,本件両書証につき,いずれも「刑訴法321条3項により取り調べられたい。」旨の意見を述べ,これに対し弁護人はいずれも「異議あり。」と述べたが,裁判所は,これらを証拠として採用して取り調べた。


 第1審判決は,本件両書証をいずれも証拠の標目欄に掲げており,これらを有罪認定の証拠にしたと認められる。また,原判決は,事実誤認の控訴趣意に対し,「証拠によれば,一審判決第1の事実を優に認めることができる。」と判示しており,前記控訴趣意に関し本件両書証も含めた証拠を判断の資料にしたと認められる。


 2 前記認定事実によれば,本件両書証は,捜査官が,被害者や被疑者の供述内容を明確にすることを主たる目的にして,これらの者に被害・犯行状況について再現させた結果を記録したものと認められ,立証趣旨が「被害再現状況」,「犯行再現状況」とされていても,実質においては,再現されたとおりの犯罪事実の存在が要証事実になるものと解される。このような内容の実況見分調書や写真撮影報告書等の証拠能力については,刑訴法326条の同意が得られない場合には,同法321条3項所定の要件を満たす必要があることはもとより,再現者の供述の録取部分及び写真については,再現者が被告人以外の者である場合には同法321条1項2号ないし3号所定の,被告人である場合には同法322条1項所定の要件を満たす必要があるというべきである。もっとも,写真については,撮影,現像等の記録の過程が機械的操作によってなされることから前記各要件のうち再現者の署名押印は不要と解される。


 本件両書証は,いずれも刑訴法321条3項所定の要件は満たしているものの,各再現者の供述録取部分については,いずれも再現者の署名押印を欠くため,その余の要件を検討するまでもなく証拠能力を有しない。また,本件写真撮影報告書中の写真は,記録上被告人が任意に犯行再現を行ったと認められるから,証拠能力を有するが,本件実況見分調書中の写真は,署名押印を除く刑訴法321条1項3号所定の要件を満たしていないから,証拠能力を有しない。


 そうすると,第1審裁判所の訴訟手続には,上記の証拠能力を欠く部分を含む本件両書証の全体を証拠として採用し,これを有罪認定の証拠としたという点に違法があり,原裁判所の訴訟手続には,そのような証拠を事実誤認の控訴趣意についての判断資料にしたという点に違法があることになる。


 しかし,本件については,前記の証拠能力を欠く部分を除いても,その余の証拠によって第1審判決判示第1の事実を優に認めることができるから,前記違法は,判決の結論に影響を及ぼすものではない。


 よって,刑訴法414条,386条1項3号,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。


(裁判長裁判官 滝井繁男 裁判官 津野 修 裁判官 今井 功 裁判官 中川了滋 裁判官 古田佑紀)





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