


asahi.com 2005年08月31日22時38分
京都市がダイオキシン対策のため建設した新型ごみ焼却施設をめぐり、談合で価格が不当につり上げられたとして、住民772人が工事を受注した川崎重工業(本社・神戸市)を相手取り、契約無効や代金約248億円の市への返還などを求めた住民訴訟の判決が31日、京都地裁であった。水上敏裁判長は「違法な談合があった」と川崎重工側に11億4450万円の支払いを命じた。
刑事事件として立件されたり、公正取引委員会の審判で談合の事実が確定したりする前に、住民訴訟で談合があったと認定されたのは画期的で、今後の談合防止にもつながる可能性がある。
判決によると、京都市は96年11月、「京都市東北部クリーンセンター」の「ストーカ炉」と呼ばれるごみ焼却設備(予定価格約222億8500万円)の一般競争入札を実施。川崎重工、タクマ、NKK(現JFEエンジニアリング)、日立造船、三菱重工業の大手5社と別の2社の計7社が参加し、川崎重工が218億円で落札した。
判決は「住民は利害関係人として公正取引委員会で審判中の談合事件の記録を閲覧・コピーできる」とした03年の最高裁判決に基づき、原告が入手した5社の担当者の供述調書やメモを証拠として採用。「5社間には遅くとも95年9月28日までに(談合の)基本合意が成立していた」と認定した。
京都市の入札については、5社が談合したうえで、川崎重工が他の2社に協力を求めていたと推認できるとした。
そのうえで、談合によって価格がつり上げられたことによる京都市の損害を契約金額の5%と認定した。
判決は、京都市長が審判が続いていることを理由に損害賠償請求をしていないことについても検討。「損害回復がはかられない事態が長期間継続すると、消滅時効を主張されるなどの危険性が生じる」と指摘し、請求権を行使しない理由にはならないとした。
川崎重工は「当社の主張が認められず誠に遺憾であり、判決内容を確認の上、控訴の方向で検討したい」とのコメントを出した。




