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2被告に死刑判決、6件で殺人罪認定 北九州監禁殺害



asahi.com 2005年09月28日16時23分



 北九州市小倉北区のマンションで、監禁した幼い子供2人を含む男女7人を相次いで殺害したとして、殺人罪などに問われた住所不定、無職松永太(44)と内縁の妻緒方純子(43)両被告の判決公判が28日、福岡地裁小倉支部であった。若宮利信裁判長は求刑通り死刑を言い渡した。


 緒方被告が起訴事実を大筋で認めたのに対し、松永被告は7人が死亡した事実は争わないものの、殺害への関与も緒方被告への殺害指示も全面的に否認していた。


 判決は、7件すべてについて、両被告の共謀を認定。6件で殺人罪を認定し、緒方被告の父誉(たかしげ)さん(同61)事件については、両被告とも殺意はなかったとして傷害致死罪を適用した。


 判決によると、両被告は共謀し、96年2月〜98年6月に緒方被告の親族ら7人に電気ショックやさまざまな虐待を加えて財産をむしり取り、「金づる」としての利用価値がなくなると、口封じのために相次いで殺害、死亡させた。


 犠牲になったのは、両被告に7年半にわたり監禁されていた女性(21)の父(当時34)のほか、誉さん、母静美さん(同58)、妹理恵子さん(同33)、主也(かずや)さん(同38)夫婦、おい優貴(ゆうき)ちゃん(同5)、めい彩さん(同10)。


 一連の事件は02年3月、当時17歳だった女性がマンションを脱出して発覚した。


 7人の遺体は解体され、海などに投棄された「遺体なき大量殺人」。物証が極めて乏しい中、検察は、両被告との監禁生活を強いられた女性と、緒方被告の供述を柱に立証を積み重ねた。



連続殺人事件判決要旨 



中国新聞 9/28


 【元少女の父親事件】


 被告松永太、緒方純子両名は、北九州市内のマンションで監禁被害者の元少女の父親=当時(34)=を支配下に置き、その自由を制約していた。


 長期間にわたる激しい低栄養状態の結果、肝機能と腎機能の障害を伴う内臓疾患を患い、その症状が現れていた1996年1月上旬から2月26日ごろまでの間、同人を浴室に閉じ込めた上、十分な食事を与えず、家庭用交流電流で感電させる暴行、虐待を加え続け、多臓器不全により死亡させた。


 【緒方一家事件全体の背景】


 緒方一家は97年4月ごろから、仕事後に福岡県久留米市内から車で出掛け、同マンションで夜を過ごして帰宅する生活を続けた末、同マンションで両名と同居するようになった。


 また、財産や両名の結婚、金銭授受などに関して多数の念書を作成しており、作成に当たっては、一家は松永被告に逆らうことができず、意に反して念書の作成に応じた可能性が極めて強い。一家は多額の借金を繰り返して松永被告に渡し、松永被告は緒方一家に感電などの暴行虐待を繰り返した。


 松永被告と緒方一家の関係は、松永被告による「支配」という問題を抜きには語れない。松永被告が緒方被告を時効完成まで逃走させ、緒方一家がそれに協力するという「ギブ・アンド・テーク」の対等な関係であったかのような松永被告の主張は到底合理的といえず、説得力を持たない。


 【緒方誉さん事件】


 共謀の上、97年12月21日ごろ、同マンションで緒方被告の実父である誉さん=当時(61)=の乳首や唇を感電させる暴行を加え、感電死させた。


 【緒方静美さん事件】


 両名は、緒方被告の妹夫婦の緒方主也さん、理恵子さんと共謀の上、98年1月20日または23日ごろ、同マンションで緒方被告の実母である静美さん=当時(58)=の殺害を決意、主也さんが静美さんの首を電気コードで絞め付け、理恵子さんが両手で静美さんの足を押さえ、窒息死させた。


 【緒方理恵子さん事件】


 両名は、主也さんと共謀し、理恵子さん=当時(33)=を、98年2月10日ごろ同マンションで、主也さんが理恵子さんの首を電気コードで絞め付け、主也さんと、理恵子さんの長女で松永被告と緒方被告の指示に逆らえない状態にあった彩さん=当時(10)=に両手で理恵子さんの足を押さえさせ、窒息死させた。


 【緒方主也さん事件】


 両名は、主也さん=当時(38)=を支配下に置き感電させ、十分な食事を与えないなどの暴行、虐待を繰り返し、栄養失調の状態に陥れた。98年4月8日ごろには、高度の飢餓状態に基づく胃腸障害を発症させ、そのまま放置すれば近く死亡に至ると十分に認識していた。


 しかし暴行、虐待を加えた事実が発覚することを恐れ、医師の適切な治療を受けさせず、同マンション浴室内に閉じ込めたまま放置して衰弱させ、同月13日ごろ、胃腸障害による腹膜炎で死亡させた。


 【緒方優貴ちゃん事件】


 両名は共謀の上、主也さんと理恵子さん夫婦の長男である優貴ちゃん=当時(5つ)=を殺害しようと決意し、98年5月17日ごろ、同マンションで、両名を恐れるあまり指示に逆らえない状態にあった彩さんに、優貴ちゃんの首をひもで絞め付けさせた。同様の状態にあった元少女にも優貴ちゃんの両足首あたりを押さえさせ、緒方被告が優貴ちゃんの両腕を押さえ窒息死させた。


 【緒方彩さん事件】


 両名は共謀の上、98年6月7日ごろ、同マンションで彩さんの両手両足をすのこにひもで縛り付け、身体に感電する暴行を加え、さらに元少女に、緒方被告とともに彩さんの首を絞め付けさせ、感電死または窒息死させた。


 【女性の監禁事件】


 松永被告は学歴などを詐称して女性(44)と交際。96年ごろ結婚を申し込み、緒方被告と共謀し、結婚資金名目で現金を詐取した。両名は97年にかけ女性とその二女(3つ)を北九州市のアパートに監禁し、女性に感電の虐待を繰り返し、「母親から金を引き出せ」などと脅迫し、現金を奪った。


 【元少女の監禁致傷事件】


 両名は2002年、マンションで元少女(21)に感電するなどして虐待し、約1カ月のけがを負わせた。


 【量刑理由】


 元少女の父親事件および緒方一家事件を中心に各犯行の全体を通じ考慮すべき犯情を考察する。


 両名は生活・逃走資金を得るため被害者らに接近し、弱みを負わせ、警察に助力を求めにくい状態にして取り込み、暴行、虐待を加えて支配下に置くとともに金づるに仕立てた。このように被害者らを取り込んだ動機、目的は極めて自己中心的で反社会的なものである。


 元少女の父親や緒方一家は潜伏先のマンションで長期間にわたり監禁生活を強いられ、むごたらしい暴行、虐待を加えられ続けた。特筆するべきは感電と極めて粗末な食事であり、被害者らの身体、精神に生き地獄のような苦痛と恐怖を与え続けたことも量刑上極めて重要である。


 両名は、被害者らを金づるとして、あるいは殺人の実行行為者として、さらに罪証隠滅のため遺体解体作業の要員として散々利用し尽くし、肉体や精神をぼろぼろにしておきながら、被害者らが病気になったり足手まといになるや、幼子であってもちゅうちょなく殺害した。


 最も重視すべき点は約2年4カ月間に計7人を連続殺害したことである。緒方一家事件は1人の遺体解体を終えるや、次の被害者を殺害するということを繰り返し、半年足らずのうちに一家全員の殺害に至っており、甚だしい人命無視の態度には戦慄(せんりつ)を覚えるほどである。しかも殺害方法は感電死や、重い病気のまま浴室に閉じ込めたり、浴室などで絞殺したりしており、いずれも残酷、非道で血も涙も感じられない。


 両名は殺害後、犯行発覚を防ぐため、包丁、のこぎり、ミキサー等で遺体を解体し、肉片等を公衆便所に捨てるなどの方法で、7人の遺体解体と処分を行い完ぺきに罪証を隠滅した。犯行態様として残忍であると同時に、まさに完全犯罪を狙ったものであり、極めて卑劣かつ狡猾(こうかつ)である。


 見逃せないのは、児童が犯行の巻き添えや痛ましい犠牲になっていることである。これらは犯行の残忍で冷酷な側面を如実に示している。


 犯行の罪質、犯行態様、手段方法の残虐性、被害者が計7人にも及ぶことなどに照らし、悪質さが突出し、犯罪史上まれに見る凶悪事件である。遺族感情は峻烈(しゅんれつ)であり、遺族の大多数が被告両名を極刑に処することを希望している。社会的影響も誠に重大である。


 各犯行は徹頭徹尾、松永被告の意思、計画に係るもので、松永被告がいなければ起こらなかった性格の犯罪である。松永被告は、言うまでもなく首謀者であり、最大の非難に値する。不合理で責任回避的な弁解に終始しており、真摯(しんし)な反省や被害者、遺族らに対する謝罪の気持ちをうかがうことは全くできない。犯罪性向は強固で根深く、矯正の見通しは立たない。酌量すべき格別有利な情状は見いだせない。


 松永被告が主犯とはいえ、緒方被告は犯行のみならず、それに至る過程や犯行後も、松永被告の意図を実現するため終始積極的に行動し、極めて重要な役割を果たした。そこに見られる緒方被告の犯罪意思は、長期かつ系統的で、強固なものである。松永被告に意思を抑圧され、自己の意思や良心に反して犯行に加担したと見ることはできない。各犯行に深くかかわった罪責は、松永被告のそれよりは小さいものの、それでも並外れて大きく誠に重大である。


 緒方被告が各犯行を真摯に反省悔悟し、松永被告とたもとを分かって、捜査官に自白し、真相解明に寄与したこと、緒方被告のみの意思で感電などの暴行、虐待を加えたことはないこと、犯罪性向は矯正不可能とは言えないこと、幼い子がいることなど酌むことのできる情状を最大限考慮しても、酌量減軽はできない。


 罪刑の均衡および一般予防の見地に立ち、両名には、いずれも死刑を選択し、これをもって臨むほかない。





| 刑事 | 22:31 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

自営業の男に懲役25年の判決 群馬・義母強盗殺人事件



asahi.com 2005年08月23日13時19分



 強盗殺人や死体遺棄などの罪に問われた群馬県邑楽町中野、自営業山田勉被告(51)に対し、前橋地裁は23日、懲役25年(求刑無期懲役)を言い渡した。久我泰博裁判長は「借金に窮し、義母を殺害して多額の預貯金などを得ようとした自己中心的な犯行」と述べた。


 有期懲役の刑期の上限は複数の罪に問われた併合罪の場合、今年1月施行の改正刑法でそれまでの20年から30年に引き上げられた。久我裁判長は量刑の理由について「強盗殺人罪に、最低でも実質三十数年に相当する無期懲役刑を宣告するのが常に合理性を持つとは考えにくく、反省の態度も示している」と述べた。


 判決によると、山田被告は1月14日、邑楽町の路上に駐車した乗用車内で、義母の福田ミツ子さん(当時71)の首を絞めて殺害。現金約2万2千円などが入ったかばんを奪ったうえ、福田さんの遺体を乗せた乗用車を町内に放置して捨てるなどした。





| 刑事 | 13:49 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

少年の児童自立支援施設送致を決定 福岡の兄殺害事件



asahi.com 2005年08月09日13時28分


 福岡市南区の中学3年の少年(15)が高等専修学校3年の兄(当時17)を殺害した事件で、福岡家裁(吉田京子裁判官)は9日、2回目の少年審判を開き、「偶発的事件で再犯の危険性は極めて低い」と児童自立支援施設送致の保護処分とすることを決めた。付添人が過剰防衛による殺人と主張した点についても「無理からぬ事情があった」と認め、「専門家による心のケアを受けさせながら情操の発達を促すべきだ」と判断した。


 決定要旨によると、少年は6月23日午後3時25分ごろ、同区内のマンションの自宅で、家にあった文化包丁で兄を十数カ所刺して殺害した。


 吉田裁判官は、少年はのこぎりを持ち出した兄から「ただで済むと思うなよ。絶対殺す」と言われたと指摘。これまでも兄から虐待を受けてきた経緯から、「兄を完全に死亡させなければ自己の生命を守ることができないと思ったことには無理からぬ事情があった」と認めた。


 児童自立支援施設への送致は、犯罪などの不良行為をした児童について児童福祉法上の支援をする保護処分の一つ。少年院送致も保護処分だが、矯正教育を目的としている点で異なる。




| 刑事 | 23:17 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

宮崎被告、11月22日に最高裁弁論 連続幼女殺害事件



asahi.com 2005年07月20日18時17分



 東京や埼玉で88〜89年、幼女4人を誘拐して殺害したとして殺人などの罪に問われた宮崎勤被告(42)=一、二審で死刑判決=について、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は20日までに、検察、弁護側双方の意見を聴く上告審の弁論を11月22日に開くことを決め、関係者に通知した。最高裁は死刑事件では弁論を開くことが慣例となっている。判決は弁論から2カ月ほど後になるのが通例で、年明けにも言い渡される見通し。


 一、二審で宮崎被告は「ネズミ人間が出てきた」「もう1人の自分がやった」などと特異な発言を繰り返し、刑事責任能力が争点となった。一審・東京地裁は「人格障害はあったが精神病ではなく、完全な責任能力があった」と判断し、死刑判決を言い渡した。二審・東京高裁もこの判決を支持、被告側の控訴を棄却した。


 被告側は「捜査段階での自白には信用性はない」「責任能力があるとした精神鑑定を採用したことは誤りだ」などとして上告した。


 一、二審判決によると、宮崎被告は88年8月、埼玉県入間市で当時4歳の女児を乗用車に誘い込み、東京都五日市町(当時)の山林で絞殺した▽同年10月、同県飯能市で当時7歳の女児を車で誘拐し、五日市町内の山林で絞殺した▽同年12月、同県川越市で当時4歳の女児を車で誘拐し、同県名栗村(当時)の山林内で絞殺した▽89年6月、東京都江東区で当時5歳の女児を誘拐し、直後に車内で絞殺した▽同年7月、東京都八王子市で当時6歳の女児を裸にした――とされる。





| 刑事 | 01:10 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

松本の韓国人殺害:姜被告に懲役13年−−地裁支部判決 /長野



毎日新聞 2005年7月5日



 松本市内の飲食店内で98年、店を共同経営していた男性(当時32歳)を刺し殺したとして、殺人などの罪に問われた大阪府豊中市寺内2、元飲食店店長、姜定翰(カンジョンハン)被告(36)=韓国籍=に対する判決公判が4日、地裁松本支部であった。峯俊之裁判長は「動機は誠に愚かで短絡的」などとして、懲役13年(求刑・懲役17年)の実刑判決を言い渡した。


 判決によると、姜被告は98年2月11日早朝、飲食店内で勤務内容などについて男性と口論になり、店にあった包丁で男性を刺した。検察側は「確定的な殺意があった」と主張していたが、峯裁判長は「傷の程度などから確定的殺意があるとまではいえない」として、「未必の故意」の範囲で殺意を認定した。





| 刑事 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

「ライフスペース」高橋元代表の上告棄却 実刑が確定へ



asahi.com 2005年07月05日21時51分



 千葉県成田市のホテルで99年にミイラ化した遺体が見つかった事件で、最高裁第二小法廷(中川了滋裁判長)は、殺人罪に問われた「ライフスペース」元代表・高橋弘二被告(66)の上告を棄却する決定をした。懲役7年とした二審・東京高裁判決が確定する。第二小法廷は「死んでもかまわないという『未必的な殺意』をもって、医療措置を受けさせないまま放置して患者を死亡させた」と述べた。決定は4日付。


 「法律上期待された行為をしない」という不作為による殺人罪の成立を最高裁が正面から認めたのは初めて。


 一、二審判決によると、高橋被告は99年7月、兵庫県伊丹市の病院に入院中の小林晨一(しんいち)さん(当時66)を、小林さんの長男=保護責任者遺棄致死罪で有罪確定=らと共謀して成田市のホテルに運び、医療行為など生存に必要な措置を何らしないまま放置して窒息死させた。


 第二小法廷は、高橋被告について(1)「点滴治療は危険である。明日中に小林さんを連れてくるように」などと長男らに指示して小林さんを病院から運び出させ、生命に具体的な危険を生じさせた(2)小林さんの容体を見て、そのままでは死亡する危険があることを認識したが、指示の誤りが露呈することを避ける必要などから、必要な医療措置を受けさせなかった――と指摘。「自らが救命できるとする根拠はなかったのだから、直ちに患者の生命を維持するために必要な医療措置を受けさせる義務を負っていた」と述べ、そうした義務に違反して小林さんを死亡させた高橋被告には殺人罪が成立すると結論づけた。


 不作為による犯罪は、何かをする「作為義務」がある場合に認められる。しかし、どんな場合に作為義務があるかが必ずしも明確ではないという批判もある。



判例 平成17年07月04日 第二小法廷決定 平成15年(あ)第1468号 殺人被告事件



要旨:


 入院中の患者を退院させてその生命に具体的な危険を生じさせた上,その親族から患者に対する手当てを全面的にゆだねられた者につき,不作為による殺人罪が成立するとされた


事例


内容:  件名 殺人被告事件 (最高裁判所 平成15年(あ)第1468号 平成17年07月04日 第二小法廷決定 棄却)


 原審 東京高等裁判所 (平成14年(う)第1215号)


主    文


       本件上告を棄却する。


       当審における未決勾留日数中250日を本刑に算入する。


       当審における訴訟費用は被告人の負担とする。


         


理    由


 弁護人西村正治及び被告人本人の各上告趣意のうち,憲法21条違反をいう点は,本件公訴の提起及び審理が被告人やその関係する団体に対する予断等に基づくものとは認められないから,前提を欠き,その余の弁護人西村正治の上告趣意は,憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認の主張であり,その余の被告人本人の上告趣意のうち,判例違反をいう点は,引用の判例が事案を異にし,あるいは所論のような趣旨を判示したものではないから,前提を欠き,その余は,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認の主張であって,いずれも適法な上告理由に当たらない。


なお,所論にかんがみ,不作為による殺人罪の成否につき,職権で判断する。


 1 原判決の認定によれば,本件の事実関係は,以下のとおりである。


 (1) 被告人は,手の平で患者の患部をたたいてエネルギーを患者に通すことにより自己治癒力を高めるという「シャクティパット」と称する独自の治療(以下「シャクティ治療」という。)を施す特別の能力を持つなどとして信奉者を集めていた。


 (2) Aは,被告人の信奉者であったが,脳内出血で倒れて兵庫県内の病院に入院し,意識障害のため痰の除去や水分の点滴等を要する状態にあり,生命に危険はないものの,数週間の治療を要し,回復後も後遺症が見込まれた。Aの息子Bは,やはり被告人の信奉者であったが,後遺症を残さずに回復できることを期待して,Aに対するシャクティ治療を被告人に依頼した。


 (3) 被告人は,脳内出血等の重篤な患者につきシャクティ治療を施したことはなかったが,Bの依頼を受け,滞在中の千葉県内のホテルで同治療を行うとして,Aを退院させることはしばらく無理であるとする主治医の警告や,その許可を得てからAを被告人の下に運ぼうとするBら家族の意図を知りながら,「点滴治療は危険である。今日,明日が山場である。明日中にAを連れてくるように。」などとBらに指示して,なお点滴等の医療措置が必要な状態にあるAを入院中の病院から運び出させ,その生命に具体的な危険を生じさせた。


 (4) 被告人は,前記ホテルまで運び込まれたAに対するシャクティ治療をBらからゆだねられ,Aの容態を見て,そのままでは死亡する危険があることを認識したが,上記(3)の指示の誤りが露呈することを避ける必要などから,シャクティ治療をAに施すにとどまり,未必的な殺意をもって,痰の除去や水分の点滴等Aの生命維持のために必要な医療措置を受けさせないままAを約1日の間放置し,痰による気道閉塞に基づく窒息によりAを死亡させた。


 2 以上の事実関係によれば,被告人は,自己の責めに帰すべき事由により患者の生命に具体的な危険を生じさせた上,患者が運び込まれたホテルにおいて,被告人を信奉する患者の親族から,重篤な患者に対する手当てを全面的にゆだねられた立場にあったものと認められる。その際,被告人は,患者の重篤な状態を認識し,これを自らが救命できるとする根拠はなかったのであるから,直ちに患者の生命を維持するために必要な医療措置を受けさせる義務を負っていたものというべきである。それにもかかわらず,未必的な殺意をもって,上記医療措置を受けさせないまま放置して患者を死亡させた被告人には,不作為による殺人罪成立し,殺意のない患者の親族との間では保護責任者遺棄致死罪の限度で共同正犯となると解するのが相当である。


 以上と同旨の原判断は正当である。


 よって,刑訴法414条,386条1項3号,181条1項本文,刑法21条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。


(裁判長裁判官 中川了滋 裁判官 福田 博 裁判官 滝井繁男 裁判官 津野 修 裁判官 今井 功)



強調(太字)は筆者による。


「自己の責に帰すべき事由」及び「手当てを・・・ゆだねられた立場」を根拠とする「必要な医療措置を受けさせる義務」が保証者的義務とも理解できる。


「立場」という用語を使用している点からも、最高裁が「保証者説(保証人説)」に立つことを明示するものか。




| 刑事 | 22:25 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

福岡県警「遺族給付金は時効」 監禁で父殺された女性に



asahi.com 2005年11月07日11時53分



 北九州市で7人が死亡した監禁殺人事件で、96年に父親(当時34)を殺害された女性(21)の祖父(72)が今年9月、犯罪被害者等給付金支給法に基づく遺族給付金について福岡県警に問い合わせたところ、県警が「事件を知った日から2年の申請期限が過ぎており、支給できない」と回答していたことがわかった。祖父は「女性は監禁されていて02年まで逃げられなかった。『時効』が理由になるのはおかしい」と話している。


 一審判決によると、女性は94年から松永太(44)、緒方純子(43)の両被告=いずれも死刑判決を受けて控訴中=と同居。95年から一緒に住み始めた父親は両被告から電気ショックや食事制限などの虐待を加えられ、96年2月に殺された。女性も電気ショックなどの虐待を繰り返し受け、脱出が難しい状況に置かれていた。


 祖父は一審判決後の9月30日、一人暮らしの女性の生活を安定させようと、給付金について県警警察安全相談課に電話で問い合わせた。すると「死亡から何年もたつので、時効になる」と言われたという。


 同課によると、事件が発覚した02年当時、給付金は支給できないという結論をすでに出していた。女性は97年から中学校に通学し、家庭訪問も受けていたことから「事件についてもっと早く警察に通報できた」と判断したという。





 犯罪に絡んで被害者が死亡した場合の遺族給付金は、被害者の年齢や収入に応じて320万円から1573万円が国から支給される。


 祖父は「判決までは請求する時期ではないと思っていた。判決で一つの区切りになると思った。支給されないのはおかしい」と話している。



この記事を読む限り、福岡県警の解釈としては、


「事件を知った日」=「被害者とされる人が事件だと自分で思う出来事を知った日」


ということになるのであろう。


刑事事件の当然の前提は、社会にあまた発生する出来事が刑事事件として成立するかどうか、犯罪の疑いをかけられた人が犯罪者であるかどうか、確定する時点は、その出来事についての刑事裁判が確定した時である。


福岡県警の解釈の前提としては、犯罪者が誰であるのか、刑事事件かどうかについて、被害者とされる人が確定できるということが成り立たないといけない。


この考えは、上記の刑事事件の当然の前提を崩すものであり、自己矛盾だ。




| 刑事 | 08:59 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

リフォーム詐欺、被告社員に懲役1年求刑 さいたま地裁



asahi.com 2005年08月29日23時16分



 埼玉県蓮田市の用水路に現金1800万円が捨てられていた事件に関連し、うそをついて営業をしたとして特定商取引法違反(不実の告知)の罪に問われた住宅リフォーム会社社員中江匡志被告(26)=岐阜市北鶉4丁目=の初公判が29日、さいたま地裁(山田和則裁判官)であり、中江被告は起訴事実を認め、検察側は懲役1年を求刑した。用水路で見つかった現金は被告が得ていた報酬の一部で、中江被告は「全額を被害者に返したい」と述べた。


 起訴状によると、被告は昨年12月、さいたま市岩槻区の男性(65)に「床下にカビが生えている」などとうそを言って、リフォーム契約を結んだとされる。


 被告人質問で中江被告は「営業マニュアルで客の不安をあおるようなトークを指導された」「配水管工事の契約を取って床下に入り、湿気やカビが多いと言ってさらに換気扇などを売った」などと述べた。営業成績は社内トップクラスで、2〜3日に1件の契約を取り、同社にいる間に約350件、歩合制の給料で計約9000万円を稼いだなどとも説明した。


 中江被告は今年1月、埼玉県上尾市にあった自宅で「タンス貯金」していた約6000万円を元交際相手の女(25)ら=実刑判決が確定=に盗まれた。埼玉県警は今月9日、女が分け前として受け取り、同県蓮田市の用水路に捨てた約1800万円を中江被告に返還していた。


 弁護側は「被告は会社のマニュアル通りに営業し、悪質な営業への疑問を常に持っていた。(今は)深く反省している」として、執行猶予付きの判決を求めた。



悪質な営業への疑問を常に持っていた人間が、社内トップクラスの成績をとって、合計9000万も稼いだんですか。




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石川県の介護施設殺人、元職員に懲役12年 金沢地裁



asahi.com 2005年08月11日02時08分



 石川県かほく市の介護施設「グループホームたかまつ」で今年2月、認知症(痴呆症)の女性入居者(当時84)を殺害したとして、殺人罪に問われた同施設の元介護職員松田優(まさる)被告(28)=同県津幡町=に対する判決公判が10日、金沢地裁であった。堀内満裁判長は「ヒーターの高温や、女性は自力で立ち上がれなかったことなどを考慮すると、少なくとも未必的殺意を推認できる」と述べ、殺意はなかったとの弁護側主張を退け、懲役12年(求刑懲役13年)を言い渡した。


 判決によると、松田被告は今年2月12日、入居者の女性が、ヒーターを足で押して再三、耐震消火装置を作動させたことに立腹。ヒーターの熱風を至近距離から約30分間当て続け、女性を殺害した。





 公判では、殺意の有無が争点となった。検察側は「被告は職場や家庭に強い不満を抱えていた」とし、ヒーターを何度も消した被害者の行動を機にためこんでいたストレスを爆発させた、と指摘した。そのうえで、犯行時には「死んでも構わないと認識していた」と述べ、未必の故意があったとした。






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患者の覚せい剤反応、医師の通報「正当」 最高裁初判断



asahi.com 2005年07月21日23時22分



 医師が患者の尿検査をして覚せい剤の反応が出た場合、警察に通報することは守秘義務違反にあたるかどうかについて、最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)は「必要な治療や検査で違法な薬物を検出した場合、捜査機関への通報は正当な行為で守秘義務に違反しない」との初判断を示した。通報をきっかけに覚せい剤取締法違反の罪に問われ、無罪を主張した女性被告(26)=一、二審で懲役2年の実刑判決=の上告を棄却する決定をした。


 19日付の決定によると、被告は03年4月、知人と口論の末、腰に刺し傷を負って東京都内の病院に運ばれた。医師は治療の必要から尿を採取。被告が興奮状態にあったため薬物使用についても検査したところ、覚せい剤反応が出た。面会に来た被告の両親に告げたうえで、警察に通報した。


 刑法は医師が正当な理由なく業務上知った秘密を漏らすことを禁じている。被告側は医師について「守秘義務違反だ」と主張。「違法に提出された尿に証拠能力はない」と無罪を訴えていた。


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判例 平成17年07月19日 第一小法廷決定 平成17年(あ)第202号 覚せい剤取締法違反被告事件


要旨:


 救急患者から承諾を得ずに尿を採取して薬物検査をした医師の通報を受けて警察官が押収した上記患者の尿につき,その入手過程に違法はないとされた事例


内容:  件名 覚せい剤取締法違反被告事件 (最高裁判所 平成17年(あ)第202号 平成17年07月19日 第一小法廷決定 棄却)


 原審 東京高等裁判所 (平成16年(う)第2179号)


主    文


       本件上告を棄却する。


         


理    由


 弁護人森野嘉郎の上告趣意のうち,判例違反をいう点は,所論引用の判例は事案を異にして本件に適切でなく,その余は,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。


 なお,所論にかんがみ,被告人の尿に関する鑑定書等の証拠能力について職権で判断する。


 1 原判決及びその是認する第1審判決の認定によれば,被告人の尿の入手経過は,次のとおりである。


 (1) 被告人は,平成15年4月18日,同せい相手と口論となり,ナイフにより右腰背部に刺創を負い,同日午後7時55分ころ,東京都世田谷区内の病院で応急措置を受けたものの,出血が多く,救急車で国立病院東京医療センターに搬送された。被告人は,同日午後8時30分ころ,上記医療センターに到着した際には,意識は清明であったものの,少し興奮し,「痛くないの,帰らせて。」,「彼に振り向いてほしくて刺したのに,結局みんなに無視されている。」などと述べ,担当医師が被告人を診察したところ,その右腰背部刺創の長さが約3?であり,着衣に多量の血液が付着していたのを認めた。


 (2) 同医師は,上記刺創が腎臓に達していると必ず血尿が出ることから,被告人に尿検査の実施について説明したが,被告人は,強くこれを拒んだ。同医師は,先にCT検査等の画像診断を実施したところ,腎臓のそばに空気が入っており,腹腔内の出血はなさそうではあったものの,急性期のためいまだ出血していないことも十分にあり得ると考え,やはり採尿が必要であると判断し,その旨被告人を説得した。被告人は,もう帰るなどと言ってこれを聞かなかったが,同医師は,なおも約30分間にわたって被告人に対し説得を続け,最終的に止血のために被告人に麻酔をかけて縫合手術を実施することとし,その旨被告人に説明し,その際に採尿管を入れることを被告人に告げたところ,被告人は,拒絶することなく,麻酔の注射を受けた。


 (3) 同医師は,麻酔による被告人の睡眠中に,縫合手術を実施した上,カテーテルを挿入して採尿を行った。採取した尿から血尿は出ていなかったものの,同医師は,被告人が興奮状態にあり,刃物で自分の背中を刺したと説明していることなどから,薬物による影響の可能性を考え,簡易な薬物検査を実施したところ,アンフェタミンの陽性反応が出た。


 (4) 同医師は,その後来院した被告人の両親に対し,被告人の傷の程度等について説明した上,被告人の尿から覚せい剤反応があったことを告げ,国家公務員として警察に報告しなければならないと説明したところ,被告人の両親も最終的にこれを了解した様子であったことから,被告人の尿から覚せい剤反応があったことを警視庁玉川警察署の警察官に通報した。


 (5) 同警察署の警察官は,同月21日,差押許可状の発付を得て,これに基づいて同医師が採取した被告人の尿を差し押さえた。


 2 所論は,担当医師が被告人から尿を採取して薬物検査をした行為は被告人の承諾なく強行された医療行為であって,このような行為をする医療上の必要もない上,同医師が被告人の尿中から覚せい剤反応が出たことを警察官に通報した行為は,医師の守秘義務に違反しており,しかも,警察官が同医師の上記行為を利用して被告人の尿を押収したものであるから,令状主義の精神に反する重大な違法があり,被告人の尿に関する鑑定書等の証拠能力はないという。


 しかしながら,上記の事実関係の下では,同医師は,救急患者に対する治療の目的で,被告人から尿を採取し,採取した尿について薬物検査を行ったものであって,医療上の必要があったと認められるから,たとえ同医師がこれにつき被告人から承諾を得ていたと認められないとしても,同医師のした上記行為は,医療行為として違法であるとはいえない。


 また,医師が,必要な治療又は検査の過程で採取した患者の尿から違法な薬物の成分を検出した場合に,これを捜査機関に通報することは,正当行為として許容されるものであって,医師の守秘義務に違反しないというべきである。


 以上によると,警察官が被告人の尿を入手した過程に違法はないことが明らかであるから,同医師のした上記各行為が違法であることを前提に被告人の尿に関する鑑定書等の証拠能力を否定する所論は,前提を欠き,これらの証拠の証拠能力を肯定した原判断は,正当として是認することができる。


 よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。


(裁判長裁判官 横尾和子 裁判官 甲斐中辰夫 裁判官 泉 ?治 裁判官 島田仁郎 裁判官 才口千晴)           





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